数え上げ法に基づく最適復旧目標構成の決定

摘要

配電系統において，配電用変電所のバンク事故が発生した場合には，母線連絡投入や復旧目標構成に系統構成を移行することにより停電区間を復旧している。しかしながら，隣接する複数回線が停電している場合，投入する開閉器の選び方によっては配電用変圧器や配電線の許容電流制約から，完全に復旧し切れないケースも起こり得る。これに対して，従来の手法では，メタヒューリスティクスなどの発見的手法を用いて，停電区間最小化などの観点から復旧目標構成を決定している。これらの手法は，停電区間を全て救済可能な系統構成が存在するにも関わらず，その構成をたまたま発見できずに，系統内に停電区間が残ったままの系統構成を最適構成として決定してしまうことがある。そこで，本稿では，系統構成候補を効果的に数え上げることで，停電区間を全て救済可能な復旧目標構成を決定する手法を提案する。また，実規模配電系統モデル上で復旧目標構成を決定し，提案手法の妥当性を検証する。