破壊試験法によるボイラ伝熱管の余寿命予測精度とオメガ法に基づく予測手法の提案

摘要

長時間運転した高温機器の余寿命診断精度は，次回の検査時期を決める上で重要であるが，それを把握することは容易ではない．国の「余寿命診断に関する指針」では，設備診断実証試験結果に基づいて，「診断により得られた余寿命の50%の値を評価余寿命とする」としている．これは余寿命診断精度が倍·半分であることを意味しているが，診断精度は診断手法や診断条件に依存するため，一概に断言することは出来ない．そこで，既報では，長時間使用したボイラ伝熱管を用いて，非破壊法や解析法に比べて診断精度の高いと言われている破壊試験法（加速クリープ試験）により余寿命を予測した．本報では，新たに得られた長時間データを加えて，余寿命予則精度について考察した．また，加速クリープ試験クリープから得られるクリープ速度データを用いて，オメガ法に基づいて余寿命を予測する手法を提案し，実機への適用性について検討した．