金属格子上に堆積した有機-金属微粒子複合薄膜のプラズモン増強光電変換特性

摘要

ある条件の下で、金属薄膜に光を入射すると金属表面に表面プラズモン（SP）が共鳴励起され、電場を数十倍に増強することができる。今日、この増強された電場を利用したデバイスが数多く報告されてきている。光電変換デバイスについてもプリズムカップリングを用いた方法がある。しかし、プリズムを用いることなどから用途が限られてしまうなどの問題点がある。これに対し、グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴（SPR）法は、プリズムを用いずにSPを共鳴励起できる方法である。この方法では、金属で覆われたグレーティング面に光を入射することでSPが共鳴励起される。また、ナノスケーノレの金属微粒子に光を照射すると、電子の振動により分極が起こり、金属微粒子の近傍に局在するSPが共鳴される。局在SPを利用した光電変換デバイスなどはこれまでに多く研究されてきている。本研究では、金属微粒子をグレーティング上に配置することにより、伝搬型SPと局在SPを同時に励起し、さらなる電場ゐ増強と光電変換デバイスへの応用を試みた。