電力機器の革新的診断技術の現状と将来展望調査専門委員会活動概要

摘要

電力供給信頼性の確保は，現代社会の経済活動を発展させる上で不可欠である。一方で，電力供給にかかるコストを低減することは，産業の国際競争力の向上や一般生活のレベル向上につながり得る。このため，電力会社のみならず，鉄鋼，石油等の大型プラントにおいても，経年劣化による電力機器の取替を適切に行い，経済的に合理的な電力供給を行うことが求められている。取替時期を適切に判断するには，電力機器の劣化状態を精度良く診断する必要がある。このため，国内外で絶縁診断技術の研究開発は鋭意進められている。国内では，電力機器メーカの一部で進められ，新規手法もいくつか提案されており，国内の電力会社やプラント事業者から注目を集めている。また，海外で開発された絶縁診断手法は国内への試導入が電力会社やプラント事業者で進められており，その長所や短所が除々に明らかにされつつある。