自動車エンジン用ウォーターポンプのトルク低減について

摘要

自動車エンジン用ウォーターポンプ（以下「ウォーターポンプ」と記す）は限られたスペース内で流量と圧力を確保するため，小径のインベラ（Impeller）をエンジン回転速度以上で高速運転している．近年は燃費規制の強化やより一層の衝突安全性確保などの要求により，ウォーターポンプに対する制約はより厳しくなっている．限られたスペース，エネルギーで出力を確保するためには駆動トルク低減が有効である．ところで，従来のウォーターポンプのインベラは羽根形状に大きな制約が生じる板金プレス製であったが近年は複雑形状が実現できる樹脂製インベラの適用が拡大している．本稿では，同一スペースで同一出力を確保しつつ駆動トルクを低減することを目的に，樹脂製インベラの形状自由度を最大限活かす羽根形状の検討と実測による検証結果を紹介する．