JIS K7391はり法試験および粘弾性測定装置による粘弾性特性の試験結果の比較·検討

摘要

現在，自動車，家電，建築等の幅広い分野において，制振材料が使用されており，このための試験·研究が行われている．また近年では，粘弾性解析ソフトウェアによって制振性能を考慮した振動·音響シミュレーションが可能となり，設計段階の基礎データとして制振性能の重要性は高くなっている．制振性能測定のための一般的な試験法として，粘弾性測定装置(Dynamic Mechanical Analyzer; DMA)を用いた粘弾性特性試験と短冊形の試験片を用いた振動減衰特性試験（はり試験法）がある．DMAを用いる試験は，測定対象物及び試験方法に関するJIS規格が制定されていることから，粘弾性材料の評価試験が幅広く行われている．一方，はり試験法については2008年に「非拘束形制振複合はりの振動減衰特性試験方法」としてJIS K7391：2008が制定され，はり試験法においても規格に沿った粘弾性特性評価が可能となった．本報では，各種材料を用いて，はり試験法およびDMA試験で得られた粘弾性特性の比較·検討結果について報告する．