交通事故死亡者数のさらなる削減には,衝突安全性能の向上に加え,ポストクラッシュにおける救命活動の高度化が必須である.そこでは,事故発生時に重症者の存在を認知するための傷害予測が重要となる.実際の交通事故における負傷者の救助,治療を行う救急医療の現場では,生理学的兆候の評価,解剖学的損傷の評価,受傷機転の順に緊急度·重症度を判断しており,生理学的評価が救命のために必要な情報となっている.外傷患者の生理学的評価RTS,解剖学的評価ISSおよび年齢因子から算出される予測生存率(Probability of survival:以下,Psと称す)は,実際の救命率を反映することから,救命のための傷害予測に活用することは有効であると考える.
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