太陽電池パネルの日射遮蔽効果に関する研究 第4報 傾斜屋根表面における熱収支分析および外界気象要因が及ぼす影響

摘要

地球温暖化が問題視される近年、建築分野ではネット·ゼロ·エネルギー建築物であるZEB、ZEHが推進されている。ZEHにおいて経済産業省は、「2020年までに標準的な住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指す」とする政策目標が設定されている。住宅では、設置の手軽より太陽電池(以下、PV)が創エネルギーとして適用される場合が多い。PVを設置すると屋根表面からの吸収日射が減少し、熱負荷の低減に寄与することが考えられる。そのため、発電のみならず副次的効果として日射遮蔽効果が期待できる(Fig.1)。本研究では、PVの日射遮蔽効果を定量的には把握することを目的とする。既報では、陸屋根を対象に測定を行い熱収支分析による比較を行った。本報では、傾斜屋根を対象に測定を行い、熱収支分析および外界気象要因が及ぼす影響について報告する。