FREA の再生可能エネルギーデータを利用したピーク電力抑制の試み～電力需要予測からの蓄電池制御の最適化

摘要

再生可能エネルギーを活用するためには，蓄電池等による系統安定化技術の開発が重要である．蓄電池の効率的な制御技術は，再生可能エネルギーの導入可能量および設備利用率を向上させるために重要な要素として議論が加速している．最近では，電力会社による系統連携「回答保留」に起因する系統電力の安定化技術が喫緊の課題として浮上しており，早急に対応策を検討しなければならない．震災以降，ベースロード電源である原子力発電が停止しており，補完的に火力発電の負担が増加している．火力発電の設備利用率は46.8～62.4%であり，ベースロード電源と調整力の両面を担保する電源として稼働率を高めることが難しい状況である．さらに原子力停止による燃料費の急増は看過できない至急命題である．そこで，再生可能エネルギー活用における系統安定化技術が高度化することによって再生可能エネルギーの電源価値が向上すれば，系統の調整力にたよることなく再生可能エネルギーの導入を加速させることが可能である．