分散型電力ネットワークにおける確率計画法に基づく電力運用計画最適化

摘要

太陽光発電では単一の設備から発電される電力量が少なく、発電量が天候に依存し制御が困難であるという問題がある。その対策として、電力の需要家が太陽光パネルを持ち、発電家として互いに電力を融通する分散型のネットワークが検討されている。著者らはこれまでに、発電と蓄電機能を有する複数の一般家庭から構成されるネットワークを想定し、線形計画法を用いて各家庭の最適な買電、融通、充放電計画を求めた[1]。その際の評価指標は対象期間における系統からの買電量を考えた。また、発電および消費量の不確定性を考慮し、発電、蓄電機能を有する単一家庭における効率的な電力利用計画を、複数のリコース変数を導入した2段階確率計画法を用いて求めた［2］。本稿では、分散型電力ネットワークにおける最適運用計画を複数のリコース変数を導入した確率計画モデルで定式化し、電力融通の有無による効率性の違いを実データを用いた数値計算を行い検証した。