近赤外分光法を用いた脳活動計測による左右手運動の識別

摘要

脊髄損傷などによる重篤な四肢麻痺患者，あるいは筋委縮性側索硬化症候群(ALS)患者などのように残存機能が著しく限られた患者に代替コミュニケーション手段を提供する方法として，BCI(Brain-Computer Interface)が昨今注目を集めている．これは，計測された脳活動から被験者の意思を検出することで外部機器を制御するシステムである．本研究では手運動のイメージを想起することで機械を操作するBCIシステムの開発を目指す．その基礎的な実験として，左手·右手·両手運動時の脳活動を近赤外分光法(NIRS)を用いて計測し，そのNIRS信号を左手·右手·両手運動の3クラス識別を行った．