多素材押出し法によるクラツド複合鋼管の成形

摘要

石油／ガス掘削·輸送用耐食鋼管や化学工業用配管など腐食性の高い環境に対して，内側に優れた耐食性を持つステンレス鋼やNi基超合金，外側に炭素鋼や低合金鋼を重ね合わせたクラッド鋼管は，機能性と経済性を兼ね備えた高付加価値材料として大いに期待されている．しかし，従来の押出しや圧延技術では作製が困難である．そこで本研究では，クラッド複合鋼管の新たな成形技術として粉末多素材押出し法を適用した．この方法の原理は，複数の粉末－バインダー混合体ビレットを同時にウェルディングチャンバーに押出して，素材同士を接合させ，1つの中空品を成形することである．本研究では，モデル材料として内層にステンレス鋼，外層に低炭素鋼を用いて，ステンレス鋼／低炭素鋼クラッド鋼管の多素材押出しにおける成形挙動，製品の健全性，および焼結の際の緻密化挙動について調べることを目的とする．