(1-15A)Dy-Ln(Ln=Nd, Pr)基合金により粒界改質したNd-Fe-B系焼結磁石の磁気特性

摘要

Nd-Fe-B系焼結磁石内のNdリッチ粒界相を通して高保乾力成分であるDyやTbを熱的に拡散導入する粒界改質法は、主相とNdリッチ粒界部との界面にこれら重希土類成分を局所的に富化することで磁化反転の要因となる逆磁区の発生を抑制し、通常の磁石製造法では実現できない高い磁化と保磁力とを兼ね備えた磁石を実現することが可能となる[1]。従ってこの場合、重希土類成分を均一かつ効率良く磁石内部に導入し、少量でも高い保磁力をいかに発現させるかが課題となる。これに対して演者らは、Tb-Al系二元合金にNdを加えたTb-Nd-Al系合金を改質材とすることで、実用レベ′レの保磁力を発現するのに要する簡便用量を効果的に低減できることを明らかにした閏。本研究では、Tb-Nd-Al系およびTb-Pr-Al系三元合金に加えて、Dy-Nd-Al系およびDy-Pr-Al系三元合金を作製し、これらを用いてNd－Fe-B系焼結磁石に対して粒界改質法を適用し、DyやTb使用量に対する保磁力と角型性の向上について検討を加えたので報告する。