NaCl溶液中における434Lおよび316L鋼粉混合焼結ステンレス鋼の電気化学特性

摘要

現在ステンレス鋼はその優れた耐食性のため，さまざまな構造材として広く用いられているが，環境によっては塩化物イオンなどと反応し，孔食などの局普膀食が生じることもまた知られている.これまでは,塩化物イオンへの対策として，ステンレス鋼の組成を変化させることにより対応してきた?しかし現私ステンレス鍬こ必要な元素である鈍およびMoの価格が高騰しているため,NiおよびMoの使用量を減らしながらも，これまでと同等の耐食性を有するステンレス鋼の開発が望まれている.一方，粉末冶金の分野では，異種ステンレス鋼粉末混合焼結材は単相の焼結材よりも耐食性に優れるということが知られており，この技術を適用することによってコストに対する耐食性を向上させよという試みが行われている.しかしNaCl溶液中での耐食性についての研究はあまり行われていない．よって異種ステンレス鋼粉末混合焼結材のNaCl溶液中での耐食性を調査することを本研究の目的とした.