固体材料の熱膨張率およびnL 積の高精度計測技術の開発（3）

摘要

固体材料の熱膨張率は材料の温度変化に伴う寸法変化の割合を表す量である。これは材料の熱変形や異種材料間に発生する熱応力の大きさに直接関係する基礎的な熱物性値であり、そのため各種精密機器の設計、性能予測、信頼性の確保等において評価不可欠な量と位置づけられている。現在、ナノテクノロジーなどの精密機器分野での先端機能材料である超低膨張材料においては10~(-8)K~(-1)より絶対値の小さい熱膨張特性の実現およびその正確な評価が要求されている。また、ガラス材料のような光機能性材料の基礎的な光学特性であるnL 積（光学的長さ）についてもnL 積の温度依存性を非常に小さく調整したアサーマルガラス（温度補償ガラス）の開発が進hでいる。