円筒発熱体を設置した水平加熱面の自然対流熱伝達（水平発熱面の寸法効果）

摘要

近年，電子機器は高性能化および高密度実装化が進hでおり，発熱密度が増大している．そのため，電子機器の開発では放熱対策が重要視されており，中でも強制空冷と比べ信頼性や静寂性の観点から，自然空冷が注目されている．著者らは，煙突効果を利用した機器冷却の基礎研究として，円筒発熱体が設置された水平発熱円板上の自然対流熱伝達について検討した．水平発熱面の熱伝達特性は逆流が生成しても水平発熱面に侵入しない流動状態では，円筒発熱体内に逆流が生成しない場合と同様の傾向を示し，水平発熱面まで侵入する場合では異なることが分かった．また，円筒発熱体の諸条件および水平発熱面の熱流束が熱伝達特性に及ぼす影響を明らかにした．本報告では，未解明の水平発熱面の大きさが熱伝達に及ぼす影響を検討し，既報で示した諸因子の影響も考慮した無次元整理式を導出する．なお，水平発熱面の大きさの影響は現象が理解しやすいように，円筒発熱体の内径と水平発熱面の直径を同一にして検討する．