8 インチ管状火炎バーナにおける高周波振動燃焼に関する実験的研究

摘要

管状火炎は，温度分布の対称性から断熱的である上，外部が高密度の未燃ガス，内部が低密度の高温既燃ガスという構造から，流れの回転に対し空気力学的に極めて安定である．近年，これらの特性を実用に供すべく管状火炎バーナが開発されているが，最近，出力向上を目的として作成された大型の管状火炎バーナにおいて，高周波の振動燃焼が発生することが確認された．また，この高周波振動燃焼発生時のバーナ内の圧力変動の測定の結果，振動周波数が半径方向，及び周方向のモード（以下，r,qモード）の音響学的共鳴振動周波数と一致することを明らかにした．今回は，このr,qモード振動燃焼の発生メカニズムついて詳細な知見を得るべく，高出力の直径200mm(8インチ，発熱量1.0MW)の管状火炎バーナに対し，複数箇所に圧力計を取り付けて圧力の多点同時計測を行い，高周波振動燃焼が発生，および増幅される位置の特定を試みた．