二色レーザーを用いた固体における非線形光子吸収の第一原理計算

摘要

非線形光吸収は高強度場現象におけるもっとも基本的な過程の一つである。広いバンドギャップを持つ絶縁体において、線形吸収では見られない異方性が、非線形光吸収で現れることが報告されている 。非線形吸収量の最適化やその背後にあるメカニズムを明らかにすることで、レーザー加工過程の最初期過程の理解につながる。気相においては、二色光レーザーの相対位相制御することでイオン化レートが制御できることが知られている。本研究では、固体において同様に二色混合の詳細で非線形吸収がどのように変わるのかを第一原理計算により調べた。シミュレーションでは二つのレーザーの強度の和を一定にした二色光レーザーを固体に照射した際のエネルギー吸収量の変化を調べた。