高純度(6,4)単層カーボンナノチューブ合成に向けた前駆体制御

摘要

単層カーボンナノチューブ（SWNTs）は，特異な一次元構造に由来した様々な優れた特性を有するため，次世代光電子デバイス用高性能素子への応用などが期待されている．しかし，SWNTsの特性はグラフェンシートの螺旋度（カイラリティ）によって左右されるため，カイラリティ制御は重要な課題である．この課題に向けて我々は，触媒表面状態の精密制御によるSWNTsのカイラリティ制御合成法を開発し，発光効率の高い（6,4）SWNTsの高純度合成（～57%）に世界で初めて成功している．更なる（6,4）SWNTs純度向上に向けて，今回我々は（6,4）SWNTs純度とプラズマCVD中の前駆体組成の関係に着目した．