液浸ラマン分光法を用いたMoS_2 のキャリア濃度評価

摘要

これまでラマン分光法はMoS_2 などの二次元層状物質群では一般的に層数および結晶性の評価に用いられている。他方、ラマン分光法によって得られるスペクトルは各種物性に敏感である。我々はこれまで応力によるラマンピークのピーク位置シフトによりMoS_2 の成長モードの評価や、フォノン閉じ込め効果から結晶粒径の評価を行ってきた。また、膜中のキャリア濃度は移動度との相関があることを示した。一般にMoS_2 のラマン評価ではA1g およびE12g 振動モードが用いられる。しかしながら両振動モードのピークは隣接しており、キャリア濃度によるスペクトルの変化と他の要因の混在が考えられるため、キャリア濃度評価が難しいことが予想される。