アルゴンクローズドサイクル水素エンジンの研究（第３報）: 熱効率に対する燃焼生成水残留特性の影響

摘要

アルゴンクローズドサイクル水素エンジンにおいて燃焼生成物である水の凝縮分離は必須の構成である．本研究では，その凝縮器出口ガス温度を変えた時の，残留水分が高比熱比Arを作動ガスとするサイクルにどのように影響を与えるかを解明した．本実験で得られた知見を以下にまとめる．(1) 凝縮ガス温度上昇による水蒸気分圧(吸気の水蒸気混入割合)の上昇により，同一燃料発熱量の運転で，出力低下(効率悪化)が起きるが，40°C～50°Cでは，水蒸気混入による合成比熱比(κ)の低下から予測される値よりも少なかった．