重力方向に弾性率勾配を有する粒子状材料の吸音特性: 吸音面が鉛直または水平な場合

摘要

粒子状材料は，互いに接触する粒子から成る固体部分と間隙の気体部分で構成される．粒子状材料に音波が入射すると固体部分の振動減衰による吸音特性が得られる例が報告されている．この吸音特性は固体部分の物性に依存すると考えられる．この物性のうち弾性率は，重力を受けて鉛直方向に増加する．すなわち粒子状材料を吸音材として壁や天井のような鉛直または水平な面に設置することを想定した場合，吸音面はそれぞれ弾性率の勾配方向に対して垂直または平行となる．本報では，重力方向に弾性率の勾配を有する粒子状材料について，面の向きが吸音率に与える影響を調査する．基礎的な条件として，鉛直および水平な吸音面に対して垂直に音波が入射する場合について検討する．