P3HTナノファイバー凍結乾燥体のドーピング法と熱電変換特性

摘要

＜緒言＞近年、廃熱を有効利用する技術として、熱電変換が注目を集めている。当研究室では導電性高分子を用いた熱電変換材料の研究を進めており、poly(3-hexylthiphene) (P3HT)ナノファイバーを用いた多孔体試料において巨大なゼーベック係数の発現を観測した。この研究では、iodineの気相ドーピングを用いているが、ドーピング状態の安定性が低いため、すぐに脱ドープしてしまうという問題点がある。そこで、本研究ではドーピング状態の安定性が高いドーパントを用いることとした。また、既存のドーピング法である液相ドーピングでは、乾燥時に試料の空孔内に働く表面張力により、試料の収縮が起き、性能が低下してしまうという問題点があった。このことから、本研究では表面張力が働かない乾燥法である凍結乾燥法を用いたドーピングプロセスを提案する。