電子閉そく無線装置不具合に関する一考察

摘要

長崎工務センターでは、７駅に設置された特殊自動閉そく装置（電子符号照査式）（以降「電子閉そく装置」と呼ぶ）の保守を行っている。電子閉そく装置は、列車の識別符号と停車場内の軌道回路により停車場間の列車検知及び方向設定を行うため、停車場間に軌道回路を設ける必要がなく低コストで閉そくを確保することが出来る。電子閉そく装置は、識別符号の送受信を各駅に設置された地上無線基地局と各車両に搭載された車載器により行っているが、平成２６年度に入り識別符号の送受信に起因する不具合が頻発し列車運行に大きな影響を与えることとなった。そこで本稿では、電子閉そく装置が不具合に至った原因の究明、対策及び保守基準、設計・施工方針について考案を行う。