在来線軌道回路における新幹線誘導障害に関する考察

摘要

在来線における新幹線近接箇所では、新幹線から受ける誘導により、列車在線時にも関わらず軌道リレーが不正扛上し、上位信号を現示する可能性がある。大垣信号通信区管内では、98箇所にて分倍周軌道回路による対策が施されている。分倍周軌道回路は商用周波数軌道回路に比べて構成機器が多く、故障率や維持更新費用に差異がある。一方で、建設当時と現在では、新幹線のき電方式はBTき電方式からATき電方式に移行しており、誘導成分は減少している可能性がある。しかしながら、誘導実測値に基づく誘導障害対策基準についての再検討は実施されていない。以上の点から、本研究では誘導測定を行い、誘導障害対策における基準の再検討を行う。