高速道路走行データに基づくドライバーの運転挙動の分析

摘要

高速道路は地域をつなぐ重要な交通網として多くのドライバーに利用されている。高速道路での走行は、安全で定時性があり確実な移動を行うことができる特長があるが、走行特性から重大な事故や多くの車がかかわる多重事故などが起こることがあり、事故を防ぐための様々な対策が行われている。これらの対策は主に事故発生件数と速度超過や不適切な運転操作など事故の原因となった直接的な要因に着目し、事故の発生を減少させるため、事故件数が多い区間について、速度抑制対策や注意喚起表示などの対策が重点的に実施されている場合が多い。このような事故発生件数や事故の直接的な要因に着目した対策は、一定の事故削減効果をあげているが、事故の更なる削減のためには、様々に変化する道路の環境条件で、事故を起こすことなく通行する大多数のドライバーの運転挙動に基づいた別の視点での対策が求められている。東北地方の高速道路では、事故総件数が多い区間と、事故の発生率（走行台数・距離あたり）が高い区間は一致しておらず、車対車あるいは道路環境のみの要因だけではなく、実際に走行しているドライバーの運転挙動を含む事故要因の分析と対策が必要となっている。