VR向けの掌上における日本語フリック入力手法の提案

摘要

Virtual Reality（以降，VR）空間内において文字入力を行う際，VR システムが提供するコントローラ（例えば，HTC 社のもの1）やユーザ自身の手指が用いられる．このうち，ユーザ自身の手指を用いる文字入力手法では，手形状認識により取得されたユーザの手指がキーに触れることにより文字が入力される．特に，日本語文字入力に関しては，スマートフォン上にて用いられているフリック入力をVR 空間に適応した手法が提案されている．これらの手法を用いて例えば「き」を入力するには，ユーザはまず「か」（入力したい文字の「あ」段）のキー領域を指にて突く．次に「か」のキー領域の上下左右に表示される「か」行のキーのうち，「き」のキーは左に表示されるため，指を左に移動させる．その後，その場から指を引くことにより，「き」を入力できる．このとき，ユーザは指がキーに接しているかどうかを視覚的フィードバックから判断することになる．