WR-4帯フィルタバンクのための導波管接続部の広帯域化

摘要

本稿では，WR-4帯において比帯域34% (185GHz〜260GHz)の使用帯域を持つフィルタバンクを実現するため，その使用帯域幅を決定する大きな要因である導波管接続部の広帯域化を検討した。まず，従来使用してきたチョーク構造を広帯域化する場合の課題として，導波管固定部分と可動部分の隙間が変化することにより変動するS_(21)周波数特性と，共振による挿入損失の増加点を示した。次に，この課題を解消する手段として，H面方向にチョーク溝を拡張し，さらに直交方向にチョーク溝を追加する方法を提案した。最後に，提案した導波管接続部を採用した導波管スィッチのシミュレーション結果を示すことにより，フィルタバンクとして使用する場合にアイソレーションを十分に確保できることを示した。今後，提案した接続部を採用したフィルタバンクを試作し，その有効性を確認する予定である。