スマートコミュニティにおける可制御設備の協調運用に関する基礎検討

摘要

本稿では，スマートコミュニティ内に設置されることが想定される，可制御設備（可制御電源，電力貯蔵設備，可制御負荷）の協調運用計画を決定する問題の枠組みと，その問題の解法とを提案した。提案する問題の枠組みでは，従来のUC-ELD問題に電力貯蔵設備と可制御負荷の運転状態とを最適化変数として追加し,混合整数計画の形で表現した。この枠組みは，電力系統との電力取引も考盧できるようになっている。問題の解法としては，定式化した問題の性質を踏まえて，可制御電源の起動停止状態の生成に BPSO,それ以外の変数の算出を二次計画法によって実現する手法を示した。また，例題モデル上で数値計算を行い，可制御電源，非可制御負荷，非可制御電源で構成されるケース1,ケース1に蓄電池を加えたケース2,ケース1に可制御負荷を加えたケース3,全ての設備を含めたケース 4の四つのケースのいずれにおいても，提案手法が適切に機能していることを確認した。