換気設備の異なる小学校教室における室内空気汚染の実態調査

摘要

全熱交換型換気を行うA小学校と換気設備を持たないB小学校の空気·温熱環境を実測し以下の知見を得た。1） A小学校では前年度実測時と比較してCO_2濃度基準値の超過頻度が上昇した。要因として全熱交換器の換気風量が低下している可能性が示唆された。2） B小学校では前年度実測時と比較してCO_2濃度基準値の超過頻度が減少した。要因として外気が比較的冷涼であったため、窓開けが頻繁に行われていたことが挙げられる。3） 生体発散物質ノナナールとデカナールの濃度は夏季においてCO_2濃度との相関がやや高かった。また、同等の換気量が確保されていても高温条件下の方が生体発散物質濃度が高くなる可能性が示唆された。