ベ卜ナムの地下水中微生物の菌叢解析と地下水アンモニア対策

摘要

ベトナムでは，農業•産業•民生用の水の35から50%は地下水に依存している。水道整備率は都市および農村部で各々61%,10% (2015年の統計値）である。WHOはより良い飲料水源（improved drinking water sources)を外部からの汚染（特に糞便由来の汚染）のない水源と定義し，その例として家屋•庭•土地への水道管による給水，管井戸，公共水道，汚染対策の施された掘り抜き井戸と湧水，ボトルドウオーターを挙げている。その意味ではベトナムの都市及び農村の99およひ97%が improved drinking water sources を使用していることになる。とはいえ農村部では水道水の供給のないこと，べトナムの河川水の多くは有機物やSSによる汚染の深刻なことから，農村部では飲料水源として雨水と地下水を利用している例が多く，ことに乾季にはしばしば地下水が唯一の飲料水源となる。ただし，ベトナムの一部地域では地下水は無視できない濃度の飲用障害成分を含む。