深絞り加工によるコルゲート容器の成形性

摘要

プレス成形の一つである深絞り加工は，パンチとダイスを用いて，１枚の平らな板から継ぎ目のない立体的な容器を作る技術である．深絞り加工によって成形される容器は，円筒や角筒など多くの形状があり，工業用品や生活用品など広い範囲で利用されている．そのため，容器製品の開発や成形に関する研究は古くから行われている．例えば，スチール箔の両面に樹脂を接着剤で貼合した複合材料の深絞り容器の開発が行われている１）．また，厚板の深絞り加工を行い，その絞り容器の形状について調べられている２）．一方，最近，容器における拡大する用途や多様化するニーズに対して容器自体の機能性を高めることが求められている．例えば，容器の強度向上のために板厚増肉加工やエンボス加工などが行われている．人間工学的設計におけるエンボス缶の設計や開缶時のタブの指掛かり性について評価が行われている３）．アルミニウム飲料缶蓋シェルの金型形状および成形プロセスの最適設計について調べられている４）．