チタンは軽量で比強度が高く,さらに耐食性に優れている材料である.そのため,軽量かつ高強度が求められる自動車や航空宇宙産業において,また古くから耐食性が求められる海水や化学薬品を用いるプラント施設などにおいて広く利用されている.深絞り加工による製品の場合,材料自体に深絞り加工性が要求される.比較的深絞り加工性の良いチタンであるが,容器成形において金属板は異方性をもつため容器に耳が生じる.耳は深絞り性の指標となるランクフォード値 ( r 値)と関係があり,圧延材において圧延方向との方位差により影響を受ける.そのため,純チタン深絞り容器における耳について解明が必要である.
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