多チャンネル同期検波1Cを搭載した2次元アレイ型磁気センサモジュール

摘要

アレイ型磁気センサは，航空宇宙，建設機械産業などの非破壊検査や，心磁界などの2次元的な生体磁気情報を取得するためのツールとして広く利用されている.また，近年は，リチウムイオン2次電池(以下，リチウムイオン電池)の品質検査などの新しい分野への応用も検討されている.具体的には，リチウムイオン電池の内部に製造過程で混入した微小金属異物やリチウム自体のデンドライト成長に起因する微弱な短絡電流を，磁気を用いて高精度に検知する検査方法が提案されている.例えば，52chの小型，高感度なTMR (Tunnel Magneto Resistance Effect)型磁気センサを1次元状に配列した磁気センサモジュールを用いて，リチウムイオン電池の内部に流れる約100 mAの電流分布を可視化する技術が報告されている.この技術は，特に，ppmオーダの品質管理が要求される将来の電気自動車，航空機などの2次電池の高品位な検査技術として期待されている.