Fe基アモルファス薄帯の国際規格化のための単板磁気特性試験器の開発:ヨーク構成と磁界分布に関する検討

摘要

本稿では，アモルファスの磁気特性に対するAM-SSTのヨーク構成の影響と励磁枠内の試料面上の磁界の強さの勾配を検討した.電磁鋼板の磁気測定では磁束の均一性を高めるには複ヨーク構成が望ましいが，歪感受性の高いアモルファスでは，上側ヨークの応力による歪から生じる鉄損特性への影響を避けるために，単ヨーク構成が望ましいことを明らかにした.また，無方向性電磁鋼板を用いてAM-SSTのアモルファス挿入時における，Hコイル設置領域の励磁枠内部の試料面上での磁界の強さの勾配は十分小さく，2Hコイル法は不要であることを明らかにした.さらに，AM-SSTの励磁枠内部で励磁電流法により算定することで，80 A/m及び800 A/m領域で，ソレノイドによるHコイルのエリアターン値が0.1%程度の精度で得られることを明らかにした.