66kV系実規模級超電導ケーブルの実用化に向けた短絡事故時の温度·圧力解析

摘要

本研究では，実規模3km級超電導ケーブルにおける導体層·シールド層の温度及び冷媒である液体窒素の温度·圧力挙動解析を行った。66kV系統における最大想定短絡電流31.5kA-2.0sが流れた場合は飽和温度に達するため，冷却システムに設置した安全弁を作動させる事により対応する必要がある。また，今回の解析では短絡電流継続時間が0.6s以下であれば飽和温度に達することなくシステムを復旧できることが分かった。 ACロス，誘電損失，ジョイント部ジュール損は，冷媒液体窒素の温度に少なからず影響を与えることが明らかになったため，考慮すべきであることが確認された。 今後は，今年度住友電気工業株式会社·熊取試験場で行われている試験結果と整合性が高い解析結果を算出するプログラムを開発する予定である。