産業用リニアドライブ技術の輸送分野における国内外への応用展開

摘要

リニアモータは，ボールねじ等の変換機構を必要とせずにダイレクトドライブを得られる機構であり，接触面の最小化によるメンテナンス性向上や，髙推力，高速，高い位置決め精度等の性能面におけるメリットがある。産業用途においてはそのメリットを生かし，1980年代から現在にかけ搬送装置や製造装置等において広く用いられるようになってきている。電気学会においても，同年代にリニアドライブ技術委員会が発足し，現在までリニアドライブ技術の適用事例に関する調査研究を継続している。産業用リニアドライブ技術の応用展開調査専門委員会については，同技術委員会の傘下に2012年4月に設置され，応用展開事例について調査及び議論を行い，適宜報告を行っているなど。本稿は当委員会の活動のうち，輪送分野における国内外への応用展開事例調査を行った最終報告である。本稿においては，応用展開事例を以下の4項目に分類し，項目ごとに事例を述べる。