磁束変調型磁気歯車の高性能化に関する検討

摘要

以上，磁束変調型磁気歯車の高性能化を目的としてFEMと実験の両面から高トルク化•高効率化に関する種々の検討を行った。初期試作機の効率は入力速度が1,000 r/minのとき約65%であり，磁気歯車の高効率化には，支持部材の改良が必須であることを明らかにした。次いで，磁気歯車の高トルク化を目的として，ポールピースの軸長と配置にっいて検討を行った結果，軸長は回転子の軸長と等いときにトルクが最大になること，ポールピースを多極側の回転子に近づけるとトルクが向上することを明らかにした。これらの検討結果に基づき，支持部材をフェノール榭脂に変更し，ポールピースの軸長•配置を改良した磁気歯車を試作した結果，改良機のトルクは改良前に対し約47%向上し，効率は入力速度が1,000 r/minのとき約95.4%であった。なお，改良機の最高効率は入力速度が100 r/minのとき約99.4%を達成した。本研究の一部は，科学研究費補助金基盤研究(B)(24360102)および特別研究員奨励費(24.4456)の交付を得て行った。