覚醒度の低下検出における有効指標の評価

摘要

平成24年4月29日に関越自動車道でツアーバスの居眠り運転事故が発生し，多くの方が亡くなったことは記憶に新しいが，このような重大事故が社会問題となり，居眠り運転防止に向けた対策が望まれているところである.眠気や居眠りが原因で起こる交通事故は，ブレーキやハンドル操作による危険回避行動が適切に取られず，高速のまま事故を起こすため，死亡率が高くなり被害が甚大になる傾向がある.Home&Reynerによれば，眠気が原因の事故は一般道での全交通事故の16%,高速道路でのそれの20%を占める更に，科学警察研究所交通安全研究室の西田の研究資料によれば，1997年における関東地区の全交通事故における死亡確率は1.2%であるのに対して，居眠り事故における死亡確率はその約5倍の5.9%となっている.以上のことから居眠り運転事故への対策がきわめて重要であることは間違いなく，これらの事故を防止するための対策が急がれる.