都市域における下水管路網を活用した下水熱利用•熱融通システムの研究(第12報) 実環境における下水熱利用システムの運転結果

摘要

下水熱利用の実環境試験の結果について短時間平均値による機器特性を示し,熱融通試験の運転果について示した。各系統で下水流量,熱源水流量,負荷率が一定の条件における下水温度とCOPの関係を熱源機の機器特性として推定した。このことにより下水温度とCOPの相関関係について把握することができ,同じ条件で機器特性式の推定値と運転結果を比較するとほぼ等しい値が得られた。負荷率とCOPの関係においても同様である。このことから短時間の実験結果は長時間の運転結果と同等のものとして扱うことが出来ることが分かり,短時間の実験結果から機器性能を評価することが出来る。しかし,本報での検討は限られた条件での果を推定は可能であるが,条件が異なれば推定は行えない。そこで,多くの実験条件における機器特性式を作成することでより広い範囲の推定を行うことが可能であると考えられる。