亀裂材弾塑性変形における小規模降伏項の高精度分離: CTOD 算定式の高精度化に向けた取り組み

摘要

構造物の安全性を確保するために使用材料の破壊靭性を評価することは極めて重要である．通常この評価の際には破壊力学パラメータを介した安全性評価が行われる．我が国では英国のWells1)が1950年代に提案したき裂先端開口変位（Crack Tip Opening Displacement; CTODあるいはδと表記）が用いられる場合が多い．つまり，材料の破壊靭性値を限界CTODとして知り，構造物の駆動力を作用CTODとして評価し，この2種類のCTODの大小を以て安全性を評価する．本研究ではこのうち前者の限界CTODの評価手法を検討対象とするものである．