線条体投射ニューロンの周波数応答特性は直接路と間接路で異なる

摘要

線条体は、大脳基底核を構成する領域の一つであり、運動制御や運動発現に影響を与える様々な機能に関係している。運動制御に関わる情報は大脳基底核で統合・処理されたのち、再び大脳皮質に戻ってくる。このループ回路の中で、線条体からの投射先は二つに分けられ、淡蒼球内節／黒質網様部へ投射する直接路と、線条体から淡蒼球外節− 視床下核− 淡蒼球内節／黒質網様部へ投射する間接路がある。直接路、間接路を担う線条体の投射ニューロンはそれぞれドパミンD1 受容体及び D2 受容体陽性細胞(それぞれ、D1 投射ニューロン、D2 投射ニューロン) に二分される。線条体の投射ニューロンを介した情報の伝達は大脳基底核の出力制御メカニズムと密接に関わっていることから、大脳皮質の活動に対するD1 投射ニューロンとD2 投射ニューロンの応答の周波数依存性を明らかにすることは大脳基底核の運動制御メカニズム解明につながると考えられる。