文化財維持管理のための3 次元計測を介した経時変化の定量的観測システム

摘要

バルバル神殿はバーレーン本島に位置する同国最大・最古の神殿遺跡である[1]．メソポタミアとインダスを繋ぐ交易都市であった古代バーレーンの重要な遺跡であり、ユネスコの世界遺産暫定リストにも登録され，バーレーン文化庁を中心にサイトミュージアムの建設準備が進められている．この遺跡は1953 年にデンマークの調査隊により発見され，組織的な発掘が行われた．発掘終了後は一部埋め戻されて一般公開されているが，発掘時の記録写真と外観が大きく異なっている（図1）．今後の保全・開発のために，発掘時を再現する補修・補強が望ましいが，当時の写真を頼りに目視で変容を把握するには限度がある．