重み付き最小二乗法に基づくメッシュフリー法による静電塗布の数値解析

摘要

静電塗布は静電気力により塗料をターゲットに塗布する 技術である.静電塗布では，液体がノズルの先端にTaylor コーンと呼ばれる円錐状に形成され，Taylorコーンの先端 から帯電した微小液滴が噴射される.静電塗布によって射 出された液滴は帯電していることから，液滴が互いに反発 し,液滴同士の衝突合体が生じにくい.このことから，従来 の加圧式インクジエツト方式に比べ，静電塗布では射出さ れる液滴が微小なものとなる.これにより，静電塗布はター ゲットに対して均一な塗布が可能となる.他にも，静電塗布 には，帯電された液滴がターゲットに誘引されるため，塗料 の無駄が抑えられるという利点ある.以上のことから，静電 塗布は薄膜形成技術や自動車の塗装に応用が可能なコーテ イング装置として利用できると期待されている.しかし， 静竃塗布は流体の大変形，分裂が伴う複雑な現象であるた め，その詳細なメカニズムは未だに明らかになっていない. そのため，応用されているデバイスも，印加電圧やノズル径 といった塗布条件や液滴の物性値をパラメータとし，試行 錯誤的に開発されているのが現状である.このことから，デ パイスの事前評価や最適化設計のためにも，静電塗布を評 価することが出来る数値計算手法の開発が望まれる.