太陽電池モジュール用BPD の誘導雷サージによる直列接続絶縁破壊試験

摘要

太陽光発電システム(PVS)の自然災害による事故や故障事例が増加している．その故障事例の１つに雷害による故障が挙げられる．PVS 近傍に落雷が生じた場合，太陽電池モジュールのバイパス回路（BPC）内で誘起された誘導起電力などによりバイパスダイオード（BPD）が故障する問題である．特に現在の太陽電池モジュール内のBPD には耐圧の低いショットキーバリアダイオード(SBD)が良く用いられている．SBD は1Ω 程度が危険なことや雷サージ試験機で1Ω 程度の絶縁破壊することは確認された．しかし，BPDの絶縁破壊メカニズムは十分に明確になってない．例えば雷で壊れたPVS を見て原因が誘導雷か逆流雷のどちらかを見分けるのも困難である．もし逆方向電圧と順方向電圧のどちらが原因かを見極める簡単な方法が有れば，メカニズム解明に有益である．本報告では，逆方向電圧と順方向電圧が原因かを見極める簡単な方法を探すために，直列接続時の壊れ方に注目し，雷サージ試験機による絶縁破壊特性を調査した．