余剰汚泥及び標準汚泥の化学物質との反応の差異による汚泥の化学物質馴化機構の調査

摘要

下水処理場で用いられる余剰汚泥は、多様な化学物質と触れ合う機会が多く、これらの化学物質に対して優れた分解性を保持していることが考えられる。それに対しまだ化学物質と触れ合っていない標準汚泥は化学物質と触れ合った場合余剰汚泥とは異なる応答を見せると考えられ、その差異により汚泥中細菌の化学物質に対する馴化の様子を観察できると考えられる。本研究ではいくつかのハザードドラッグに対する余剰汚泥と標準汚泥の生分解性、反応速度、生菌数の増減、Miseqによる化学物質分解前後の細菌叢の変化を調べ、微生物分解と微生物多様性の相関性や環境適応の仕組みなど、ハザードドラッグの微生物分解における標準汚泥および余剰汚泥の馴化の効果を明らかにすることを目的とした。