OECDテストガイドライン301C及び301Fにおける化学物質の生分解性の比較解析

摘要

化学物質審査規制法における化学物質の生分解性評価では，経済協力開発機構（OECD)テストガイドライン（TG) 301Cが活用されてきたが，新たに海外で多くの実績があるTG301Fも活用される見込みである。 TG301CとTG301Fでは，試験条件に複数の違いがあり，特に微生物源は決定的に異なる（TG301C：培養汚泥， TG301F：下水汚泥等）。両試験で得られる結果の違いを把握することは将来の化学物質審査規制法の運用上有用であるが，その知見は極めて少ない。また，TG301Fで使用される下水汚泥は種々の化学物質に日常的にばく露され，馴化されていると考えられるが，化学物質の環境排出量と下水汚泥の生分解能の関係は明らかでない。