埼玉県内の自然土壌を対象とした土壌分析結果と海成堆積物の分布特性解析

摘要

近年、自然的原因による土壌汚染が大きな環境問題となっている。この問題に的確に対処するためには、土壌汚染を引き起こす可能性の高い海成堆積物の化学特性や分布特性をあらかじめ把握しておくことが重要である。本研究では、環境科学国際センターが保有する埼玉県内の自然土壤（約50地点）を分析し、有害重金属類のバックグラウンド値を測定すると共に海成堆積物の分布特性解析を試みる。全国各地の土壤を分析し、その結果をデータベース化したものは既に冊子やWebを通じて公開されているが、これらのデータは、①試料採取地点や土質に偏りがある、②表層土壌が中心で深さ方向のデータがない、③市街地のデータが少ないなどの問題がある。