大腸菌ファージの光回復現象を考慮した紫外線耐性

摘要

紫外線の不活化を評価する際、病原性ウイルス等の特徴に似ているバクテリオファージが用いられている。一般にウイルスは光回復を起こさないとされているが、大腸菌ファージの場合を例にあげると、大腸菌ファージが宿主菌と吸着後、大腸菌の光回復酵素を利用することで光回復が起きることが確認されている。しかし、水処理における光回復を評価するための手法は報告されていない。回分式試験中でも、大腸菌ファージは光回復の影響を受けている可能性が考えられ、紫外線の不活化効果が過小評価されていることが考えられる。本研究では、光回復が大腸菌ファージの不活化に与える影響に関する基礎的知見を得ることを目的とした。大腸菌ファージ（(ΦX174)、宿主菌(E.coli C)を使用し、光回復に用いる光源を可視光線とした。可視光強度と光回復の関係性について調べた。