可変周波損失電流法による非遮水CVケーブル線路の劣化診断

摘要

CVケーブル(架橋ポリエチレンケーブル)は、1960年代に送電用電力ケーブルに採用されて以来、その取扱いの簡便さから採用量が増え続け、現在に至っては主流な送電用電力ケーブルとして採用されている。 CVケーブルについては、今後、高経年CVケーブルが増加する傾向にあることから、設備の適切な運用期間を判断するために、設備個々の状態を把握する必要性がますます高まってきている。 77kV級CVケーブル線路の水トリー経年劣化を診断するため、可変周波損失電流法による劣化診断手法の評価を行い、実際に、実線路へ適用した。 77kVCVケーブルの実線路および撤去品を用いて劣化診断およびAC破壊試験による残存性能を確認し、若干安全側に診断する傾向があるものの、実線路の劣化状態をある程度把握するための技術を確立することができた。 今後、高経年設備に対して、必要の都度本手法を適用し、設備の適切な運用の計画に反映させていきたい。なお、今後も、診断精度の確認を行っていきたい。